お客さまからのご要望で、
建物を建て替えすることになりました。
しかし、既存の建物は地盤が弱かったため、
地盤改良工事(現場打ちセメント杭)が施工されていました。
困ったことに、基本的には地中杭は抜かなければなりません。
そして、その時の撤去費用は杭を打つ工事費用より、
杭を抜く工事の方がはるかに高額となります。
そもそも地中に埋設している杭をきれいに抜く、完全に
撤去することは困難であると思います。
そこで今回はお施主さんとその後の利用に応じ、
どの程度まで撤去するか、検討しなければなりません。
まず、地中杭が深く地盤に刺さっている場合は、
途中でカットする方法。
また、土地に余裕がある場合は杭が打ってあるラインを
避けながら工事を行う方法等が考えられます。
いずれにしても改良工事を施工している物件は要注意です。
もちろん改良工事が必要な物件はあります。しかし、
必要が無い場合は絶対にしない方が良いということです。
数年前、住宅業界は「改良工事ありきの地盤調査」が、
当たり前のような風習になっていました。
それは調査をするのが地盤改良会社だったからです。
今後もおそらく増え続ける「杭抜き工事」。
その問題を、簡単に解決できるやりかたが現れることを
心から願うばかりです。
▲改良工事を行うと、「地中埋設物有物件」として資産価値が下がる可能性があります。